(歳出見込み)
上越市の一般会計の予算規模は970億円前後で推移していくものと考えています。このうち、公共施設の建設や道路整備、まちづくりなどに使う「普通建設事業費」はこれまでは100億円前後でしたが、行財政改革による事業の実施状況や職員のマインドなどから、新しい財政計画に見積もられる普通建設事業費が6割程度の60億円から70億円に減るのではないかと推察しています。
しかし、普通建設事業費は市内経済を牽引する重要な役割を持つと考えており、今後も100億円前後の支出を維持します。具体的には、小中学校の大規模修繕など、先送りしてきた事業を含め、差し引き30億円~40億円を公約の新規事業の財源とします。
公共事業の実施により域内循環を活発にし、市内経済を回していくことで税収増につなげます。
(歳入確保)
歳入、とりわけ税収の増加を目指すことは行政、首長の責務のひとつです。税収においては、上越市では、固定資産税が市民税を上回っている状況にありますが、固定資産税を増加させる一番の妙手は企業誘致です。企業誘致は、税収増に直結しているほか、市民の皆さんの就労機会の増加などにも効果がありますので、トップセールスによる企業誘致の取組みを積極的に行います。
もう一つの大切なトップセールスは「国への制度提案」です。とりわけ交付税制度については、上越市の状況や実情をしっかりと説明し、上越市にとって有利な制度運用となるよう算定方法の更なる見直しを要望していくことが重要です。また、除雪など災害対応に交付される特別交付税や、他の省庁の補助金などについても、上越市の状況に見合った新制度や補助率のアップなどを提案していきます。さらには、国のパイロット事業や社会実験的事業を積極的に誘致し、国費の導入を図ります。
私は、歳入確保のために「ふるさと納税制度」に積極的に取り組みます。返礼品による市内産品の販売促進や、新規事業への期待も含め、多くの効果を生み出すよう、総合的に取り組みます。仮に10億円の納税(上越市にとっては寄附金収入)があれば、返礼品として3億円の新しいビジネスが生まれることになります。
ただちに10億円規模の補正予算を!
「特認校制度」を使った「プログラミング小中一貫校」を設置し、日本の最先端の指導者を招聘するなど、『プログラマーは上越から』を合い言葉に最先端の教育を行います。
〇教育 〇起業 〇テレワーク 〇人口減少対策
自主財源の確保と上越の魅力を活かした返礼品開発と新販路の拡大。13区など地域に特化した指名寄付を実施します。見守りサービスや体験型返礼品など上越市らしい新たな返礼品づくりにも挑戦します。目標額は10億円。
〇産業 〇財源 〇観光 〇ファン増加
エンターテインメント型スポーツが楽しめるまちとしての魅力を国内外にアピールします。海でサーフィン・雪山のスノーボードが楽しめる環境、加えてアクティブスポーツパークでのスケートボード、「スリーS」が楽しめる上越市。大会誘致により観光にもつなげます。
※3S(Snow/Skate/Surf)
〇スポーツ 〇観光 〇ファン増加 ○楽しみがあるまち
高田、直江津の両中心市街地に商店街を核にしたまちなか居住やまち歩き観光の視点を加え、歩いて暮らせるまちづくりを目指し、リ・デザイン(最適化)します。
・高田地区…空間換地(集合ビル)などを利用した宅地、公園などの整備検討、雁木・町家を生かした域内観光
・直江津地区…駅前にある閉鎖されたビルの除去を含めた再開発の検討、D51レールパークなどを生かした域内観光
〇まちづくり 〇商店街のにぎわい 〇観光
上越市の出生数は約50年間で6割減。
人口減少が引き起こす問題は今に始まったわけではありません。
人口減少対策として企業誘致をすることが自治体のトップが考える解決策。上越からいかに人を出さないかみたいな考え方とはまた違った視点の人口減少対策が必要に思います。
例えば、年に数世帯ずつの家族が定住すれば、大規模な産業誘致などをしなくても数百人規模のコミュニティは存続可能だという移住1%戦略理論。これは仮に大島区に子供を持つ30代の夫婦2組、それに加えて子供も持たない30代夫婦2組、合計4組が移住すると、人口減少が緩やかになり、高齢化率も下がります。
私は上越市から子供たちが巣立っていくことを否定しない。海外で活躍、大いに結構。外から来られた方が様々な理由で上越を旅立つときも温かく送り出したい。
けれども優秀な若者が地方から出て行くばかりでは、経済や産業などの地方の生活基盤を支えるうえで大きな痛手になる。このままの状況で若者、特に若い女性が流出していくことで人口が減るだけでなく、出生率は下がり、まずます少子高齢化に拍車をかけることになる。
若者の人口を減らさないために、とどまってもらうような取り組みも必要だと考えますが、上越から出た若者が戻ってきたいと思うような地域づくり、他のまちで生まれ育った方々が住みたくなる住環境づくりを進めることのほうが重要なのではないかと考えています。
一度上越を出て知識やスキルを身に着けて経験を積み、成長した若者が戻ってくる、あるいは新しい感覚を持った方がIターンでやってくる、そうした方々と地元の皆さんとの出会いが地域に変化を生み(化学反応をもたらし)、地域内が活性化されるのではないか、そう考えています。
そんな多様性があって寛容で包容力のあるまちこそが結果的に人口を集めると思うのです。
人口減少は様々な角度から腰を据えて取り組むことではありますが、私はこういった据え方も大切にしたいと思っています。